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 じゃんぼよしだの酔眼写真塾


【デジカメにUVフィルターは必要か?】



2009年4月4日にマルミ光機さんから、デジカメ用のUVフィルターが発売になりました。
発売に先立ってテストをして、フォトイメージングエキスポ2009でご紹介したのですが、より詳しく書いてみます。

まず、UVフィルターというのは紫外線をカットするものです。
フィルムは紫外線や赤外線という、人間の目に見えない光にも感光するのです。 目に 見えない光だけれども感光するということは、写真にすると、見えなかったはずの色が写真では出てしまうということです。 紫外線が強い時に青空がマゼンタ (ピンク)がかった色になるなどの影響が出るのです。

デジタルカメラになってあまり使われなくなったのですが、その理由は、
CCDや CMOSという受光素子はフィルムに比べて紫外線に感光しにくい(のではなかろうか)。 
電気的な処理が行われている(のであろう)。 
受光素子に付けら れているローパスフィルター(本来はモアレを低減するため)は、紫外線もカットしている(に違いない)。 
後から少々の色かぶりは補正できる。

まあ、そのような理由だったわけで、実際にはカメラメーカー各社とも、分光感度特性(光の波長に対する感度)のようなことを公表していないので、想像でしかなかったワケです。

私 の場合、UVの必要性をあまり感じていなかったのが事実です。
フィルムに比べて(私が使っているデジカメの受光素子は)紫外線の影響を受けにくいと言えます。 また、デジカメはホワイトバランスが動かせるし、ほぼ100%Rawで撮影して現像時に調整しているので、多少のマゼンタかぶりなどは気にならなかったのです。


ところが、2009年の初め、マルミフィルターさんはデジカメ用UVフィルターを発売するという連絡がありました。
聞いてみると、あるカメラでは明らかな効果が出る。 一般ユーザーさんからの要望が多い。 そんな答えでした。


メーカーの違う2つのデジタルカメラを持ってテストに出かけました。

【カメラA】
UVあり

UVなし

UVなしでは、空の色や遠景にマゼンタかぶりが見られます。

UVあり拡大

UVなし拡大

UVフィルターにより、遠景のコントラストも向上しています。


もう1台のカメラではどうでしょう。

【カメラB】
UVあり

UVなし

こちらのカメラの方が紫外線の影響を受けにくいようですが、水平線近くの空に若干のマゼンタかぶりが見られます。


UVあり拡大

UVなし拡大

拡大してみると、海の反射、遠景のコントラストにおいて、UV装着の効果が出ています。



結論として、カメラ(受光素子のメーカー)によって度合いは異なるけれども効果はある。
但し、
(私がテストした2機種については)ホワイトバランス補正やコントラスト調整を行えば分からなくなる程度ではある。

厳密に言うと、レンズに入る前にUVをカットするのだから、効果があるはずである。
何れにしても保護用のフィルターは付けておくのだから、レンズ保護用としてUVを選ぶ方が良いと考えて問題ない。
そういうことになるでしょうか。
Rawで撮る方はお好みで、Jpegで撮る方はUVの方が良いでしょう。


最後にメーカーさんへの要望としても、付け加えておきたいことを。

マルミのスーパーDHGというフィルターは撥水、撥油で、キズにも強い特別なコーティングがされています。
私のように地面に這いつくばって猫を撮るような写真家には非常にありがたいのですね。
私が全てのレンズにマルミスーパーDHGレンズプロテクトを付けているのはここが理由なのです。
しかし、このコーティングは今のところ、プロテクトとPLにしかされていない。


猫パンチを食らうことを考えると、このコーティングはぜひとも欲しいところです。
UVをプロテクト用として付けっぱなしにしたいので、スーパーDHGタイプのUV発売を期待しています。