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 じゃんぼよしだの酔眼写真塾


【構図の話】

写真は見方で変わるのです。 撮り方というよりも見方なのです。

 猫が大きな木の下にいる。そういう場面ですね。



 猫がいる、というだけの見方をすればこのような写真になるでしょう。

 この猫は木の下に隠れて、向こうを見ている、という風に見る(感じた)とすると、
 そのように伝わるようにしたいワケです。



 構図を変えて、上部に空間を持たせました。
 猫が見ている先を想像させるような写真になりました。

 バランスもいいですね。 上の写真では猫の下部が無駄です。
 因みにメインの被写体が真ん中にある写真を「日の丸写真」と言って
 一般的に、よろしくない構図とされています。


 木陰で休んでいる猫ですが、これもいわゆる日の丸写真ですね。



 縦位置にして、猫を下の方に入れました。



 この方がイイですね。
 状況がよく分かって、あ〜良い場所にいるんだな。ということが伝わると思います。

 特に猫のような被写体の場合、かわいい猫だけに目が行きがちです。
 しかもほとんどのカメラは真ん中でピントを合わせるので日の丸写真になりやすいのです。

 猫の表情がメインの写真で回りがあまり写っていなかったり、ボケていたりするのであれば、
 猫が真ん中にどーんとあっても問題ないのですが、周りの状況も写っていて、
 状況や環境をイメージさせるような写真のときには、被写体が真ん中にあるのはあまりよろしくないのです。

 特に縦位置の写真で猫が地面にいる場合には、猫(被写体)が下の方にある方が
 写真に安定感が出ます。



 〜アングルの違いと背景・奥行きの変化


まずはこの写真から。



立ったまま、あるいはしゃがんでも自分の目の位置から撮るとこうなります。
背景は地面だけですね。 影があって、少しボケているので多少の奥行き感はあります。




少し下から撮っています。 地面の光と影の層で「写真に奥行き」が出ましたね。
水平が傾いているのが気になりますが、
表現方法として、水平より変化があるとも言えます。




地面にカメラを置くくらいのアングルから撮ったもの。
背景に遠くの木々が見えてきました。 新緑が光っていてキレイですね。




このように、カメラの高さを変えることで背景が変化し、写真のイメージは大きく変わるのです。

高さだけではなく、被写体の回りをぐるぐる回ると、もちろん背景が変わります。



 高さを変えて見る。
 回りをぐるぐる回っていろいろな角度から見る。
 離れて見る。
 近づいて見る。


 そして重要なことは、そういう見方(どこから撮ると良いか)は習うことではありません。
 もちろん、決まりがあることでもありません。
 一番上の写真だと、猫がいるというだけの写真ですね。
 下の写真では、緑のある気持ちの良い場所にいるんだな、と伝わりますね。

 また、猫の顔の向きで印象が違うことにもお気づきでしょうか?
 カメラ目線の猫は警戒心を感じさせることがあります。もちろん、親しみの場合もありますが。
 自由気ままと感じて、それを伝えるのなら、カメラ目線ではない方が良いと、私は思います。